2024年1月~3月に日記屋 月日さんで開催されたワークショップ「日記をつける三ヶ月」(ファシリテーター:古賀及子さん)に参加しました。
ワークショップで書いた日記の一部をこちらにも公開します。
ーーー
目が覚めて布団の中で「今までで一番働きたくない日だ」と強く思う。
何か特別大変な仕事が待ち受けているわけではない。3日前に今すぐ会社を辞めたい気持ちに気付いてしまって、それから毎日うんざりしている。日に日に漠然とした不安が強くなっているのが分かる。
スマホを手に取るとLINEの通知がいくつかある。それを見ている間は仕事のことを考えなくて済むから嬉しい。そのうち始業時間が近づいて、諦めて布団から出た。
上司に「小倉さんがいてくれてよかった」と言ってもらっても素直に受け取れないのは、社交辞令を覚えたからだろうか。それとも紅一点のこの環境下で、評価されることを諦めてしまっているから?
定時を過ぎて、残業前に休憩を取る。SNSを眺めていると、企業が作ったミモザをテーマにした動画がいくつか流れてくる。今日は3月8日、ミモザがモチーフの国際女性デーだ。
私が見たそれらの動画は鮮やかな黄色いミモザの美しさを楽しんでいるだけで、国際女性デーとしてのメッセージを感じられなかった。そんな動画を作る暇があるならおたくの管理職の女性の割合をあげたらどうですか。上澄みをすくっただけのミモザに辟易とする。
うんざりしながら業務に戻る。少し働いたけれどすぐに月曜の自分に託すことにした。
せっかくの週末だけど食べたいものがない。夜ご飯はどうしようかと考えながらソファーの上で体を左に倒す。退勤したのに仕事のことが頭にこびりついている。必死で忘れようとする。
次第に左手の指先がずきずきしだして、左耳からは高い耳鳴りが聞こえてくる。右耳で必死にエアコンの音とiPhoneから流している音楽を聴く。自分のことさえ忘れてしまいたい。ただただ外界に意識を向ける。
CharaのJunior Sweetを聴いている。記憶していたよりも少しだけゆっくりなメロディーに落ち着かされる。
夕飯を食べていなかったので重い頭でコンビニに行く。甘い酒を2缶買った。つまみも選びたかったけれどどれもぴんとこなくて買えず、家へ戻ってシャワーを浴びる。
頭を濡らすのも、シャンプーを泡立てるのもだるい。昨日母からきたLINEに軽く添えられていた「どんなことが起こっても生きていこうね」というメッセージを思い出す。
なんとか風呂からあがってさっき買った甘い酒の缶の口を開ける。少しお腹が減っていたから、冷蔵庫に残っていた豆苗を皿に出してハーブソルトをかけた。
生の豆苗は青臭いし、切るのが面倒で長いままだから食べづらい。料理ともサラダともいえないその豆苗を食べながら、生きている実感が湧く。
日記を書き進めたかったけれどもう眠くなってしまって書かずに寝た。